注文住宅を検討している方にとって、気になるのが「頭金はどのくらい必要なのか」という点ではないでしょうか。
住宅ローンで家を購入する際、頭金の金額は審査や返済額にも大きく影響します。自己資金が少ない場合でも建てられるのか、どのようなリスクがあるのかも事前に理解しておくことが重要です。
本記事では、注文住宅にかかる頭金の費用相場や支払うメリット、注意点や頭金を抑えるための方法などについて解説します。
また、以下の記事では札幌市でおすすめの注文住宅会社を紹介していますので、住宅会社選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも頭金はなぜ必要?
頭金は、住宅ローンを組む際に借入金とは別にあらかじめ支払う現金のことです。住宅購入における自己資金としての役割があり、借入額を減らすことで月々の返済負担を軽減できるメリットがあります。
また、金融機関側もリスクを抑えられるため、融資審査においても評価が高くなる傾向があります。頭金は単なる費用ではなく、将来の安心につながる資金といえるでしょう。
注文住宅にかかる頭金の費用相場
注文住宅の頭金は、一般的に総費用の10〜20%程度が目安とされています。たとえば3,000万円の住宅であれば、300〜600万円ほどが目安です。
ここからは、全国の頭金の平均額について解説します。頭金の平均額と住宅購入費に対する割合を以下の表にまとめました。ぜひご覧ください。
頭金の平均額(全国) | 住宅購入費に対する割合 | |
---|---|---|
注文住宅 | 641.2万円 | 17.3% |
注文住宅(土地付き) | 449.6万円 | 9.6% |
建売住宅 | 317.7万円 | 8.5% |
マンション | 987.8万円 | 20.4% |
中古一戸建て | 274.3万円 | 10.1% |
中古マンション | 528.9万円 | 16.8% |
ただし、住宅ローンの条件や金融機関の審査基準によって必要な頭金の額は異なるため、実際には個別のケースごとに確認が必要です。
近年では、頭金を少なくして購入する人も増えており、自己資金の状況やライフプランに応じた資金計画が求められます。
参照元:住宅金融支援機構 「2022年度 フラット35利用者調査」
注文住宅における頭金と住宅ローンの割合
注文住宅の資金計画においては、頭金と住宅ローンの割合を適切に設定することが重要です。一般的には、総費用の20%程度を頭金として用意し、残りを住宅ローンでまかなうケースが多いです。
この割合は金融機関の審査にも大きく関わり、頭金が多ければ借入額が抑えられるため、月々の返済負担も軽減されます。加えて、金利の優遇が受けられたり、返済期間の選択肢が広がるなど、融資条件が有利になる可能性もあります。
一方で、頭金が極端に少ない場合は、金融機関がリスクを高く見積もることから、審査が厳しくなったり、希望額の借入が通らない場合もあるので注意が必要です。
したがって、自分の収入や貯蓄、ライフプランに合わせて無理のない資金配分を心がけることが、安心して家づくりを進めるための第一歩となります。
注文住宅における頭金を支払うメリット
注文住宅を建てる際に、頭金をしっかりと用意しておくことには大きなメリットがあります。また、頭金を準備できるかどうかで、住宅取得後の返済のしやすさや安心感にも差が出てくるでしょう。
ここからは、注文住宅における頭金を支払うメリットについて解説します。
それぞれのメリットについて、以下で詳しく解説します。
住宅ローンの借入額が減る
頭金を支払うことで、その分住宅ローンの借入額を抑えることが可能です。たとえば総額3,000万円の住宅に対して600万円の頭金を用意すれば、借入額は2,400万円になります。借入額が減れば、当然月々の返済額も少なくなり、家計への負担が軽減されます。
さらに、支払う利息の総額も減るため、長期的に見ても経済的なメリットは大きいです。無理のない返済計画を立てるうえでも、頭金をしっかり用意しておくことは非常に効果的といえるでしょう。
審査が通りやすくなる
住宅ローンの審査では、頭金の有無が金融機関にとっての信用評価に影響を与えるポイントのひとつです。頭金を用意できているということは、計画的な資金管理ができる人物であると評価されやすく、借入希望額に対して信用度が高まる傾向があります。
特に年収が低めだったり、他に借入がある人にとっては、頭金の存在が審査を通過する後押しとなる可能性もあります。審査に不安がある場合は、少額でも頭金を用意することで、通過の確率を高めることができるでしょう。
金利優遇を受けられる場合がある
金融機関のなかには、頭金を一定割合以上支払うことで、住宅ローンの金利を優遇する制度を設けている場合があります。なぜなら、頭金が多ければ多いほど、借入額が減るだけでなく、ローンのリスクも低いと判断されるため、より低い金利が適用される可能性があるからです。
金利が下がれば、月々の返済額はもちろん、トータルの返済総額も抑えられるため、家計への影響は非常に大きくなります。借入条件を有利にするためにも、頭金の準備は重要な戦略のひとつです。
頭金がゼロでも注文住宅は建てられる?
頭金がゼロでも注文住宅を建てることは可能です。現在ではフルローンに対応している金融機関も多く、自己資金がなくても住宅ローンの借入で購入に踏み切るケースが増えています。ただし、借入額が増えることで毎月の返済額が大きくなり、審査の難易度が上がる傾向もあるため注意が必要です。
また、金利がやや高く設定される場合もあり、総返済額が多くなることもあります。頭金なしで建てる際は、収支のバランスを見極めたうえで、無理のない返済計画を立てることが大切です。
注文住宅における頭金がゼロのリスクは?
頭金がゼロでも住宅を購入できる時代とはいえ、その選択にはリスクも伴います。特に資金計画を誤ると、後々の生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。注文住宅という大きな買い物だからこそ、頭金ゼロで進める際の注意点を正しく理解しておくことが重要です。
ここでは、注文住宅における頭金がゼロのリスクについて解説します。
各リスクについて、以下で詳しく解説します。
ローン審査が通りにくくなる
頭金がゼロの状態で住宅ローンを申し込むと、金融機関の審査が厳しくなる可能性があります。借入金額が高くなるため、返済能力に対するリスクが大きいと判断されやすく、年収や勤続年数、他の借入状況などをより厳しくチェックされます。
特にフルローンを希望する場合は、信用情報に少しでも不安があると否決されることもあるため注意が必要です。万全の準備が整っていないまま審査に臨むと、希望の金額が借りられないケースもあるため、あらかじめ自己資金を一部でも用意しておくことが理想です。
借入額が増え、返済負担が重くなる
頭金を用意せずに住宅を購入すると、借入額が増加するため、毎月の返済額が大きくなります。加えて、借入総額が多いほど支払う利息も増えるため、総返済額が膨らむ傾向にあります。
将来的に教育費や車の購入、家のメンテナンス費用などが発生することを考えると、月々の支出を抑えられないことは家計にとって大きな負担です。余裕のある生活を維持するためにも、可能な限り頭金を用意し、無理のないローン計画を立てることが重要です。
将来の資金に余裕がなくなる可能性がある
頭金ゼロで住宅ローンを組んだ場合、貯蓄を温存できる反面、将来的な出費への備えが不十分になる恐れがあります。病気やケガなど、思わぬ支出が発生したときに対応できる余力がないと、生活の安定が脅かされる可能性があるので注意が必要です。
また、リフォームや子どもの教育費など、後から必要になる費用への対応が難しくなる場合もあります。長期的な家計の安全性を考えると、ある程度の自己資金は確保しておくことが望ましいといえるでしょう。
注文住宅における頭金を抑えるポイント
注文住宅を建てる際に、頭金の負担を少しでも軽減したいと考える方も多いのではないでしょうか。実際には、設計やローンの工夫、制度の活用など、初期費用を抑えるための方法はいくつかあります。
無理なく家づくりを進めるためには、どのポイントで調整が可能かを知っておくことが大切です。ここでは、注文住宅における頭金を抑える3つのポイントを紹介します。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
必要最低限の仕様で建てる
注文住宅は自由度が高い分、オプションや仕様にこだわりすぎると予算が膨らみやすくなります。頭金を抑えたい場合は、まず必要最低限の設備・間取り・素材で建築計画を立てることが効果的です。
たとえば、標準仕様のまま施工し、住み始めてから必要に応じて設備を追加・変更するという方法もあります。外壁材やキッチンのグレードなどは後からアップグレードできる場合もあるため、初期コストを最小限に抑えるには優先順位を明確にすることが重要です。
生活に支障のない範囲で仕様を絞ることで、無理なくマイホームを実現できるでしょう。
諸費用込みの住宅ローンを活用する
諸費用込みの住宅ローンとは、登記費用や火災保険料、印紙税などの初期費用を住宅ローンに含めて借り入れる仕組みです。通常これらの諸費用は自己資金で支払う必要がありますが、このローンを活用すれば頭金以外の負担も軽減できます。
特に貯蓄に余裕がない場合や、手元資金を残しておきたいと考える方には適した選択肢です。ただし、借入額が増えることで返済総額も大きくなるため、金利や返済期間とのバランスをよく確認することが大切です。
金融機関ごとに条件が異なるため、複数のローン商品を比較して選びましょう。
補助金や制度の活用を検討する
注文住宅の初期費用を抑える方法として、国や自治体が提供する補助金や優遇制度を活用することも有効です。たとえば、子育て世帯や若年層を対象とした支援金や、省エネ性能の高いZEH住宅向けの補助金などがあります。
また、住宅ローン控除や贈与税の非課税制度なども、実質的に費用を抑えることにつながるでしょう。これらの制度は時期や地域によって内容が変わるため、最新情報を建築会社や自治体の窓口で確認しておくことが大切です。
該当する制度を積極的に取り入れることで、家づくりのコストを効果的に削減できます。
結局、頭金は準備した方が良いの?
結論から言えば、頭金はできる限り準備した方が良いといえます。なぜなら、頭金を用意することで、住宅ローンの借入額を減らすことができ、月々の返済負担や総返済額を軽減できるからです。さらに、金融機関の審査にも好影響を与え、金利優遇を受けられる可能性も高まります。
また、頭金があることで家計に余裕を持たせやすく、予期せぬ出費にも柔軟に対応しやすくなります。ただし、貯蓄をすべて頭金に充ててしまうと、万が一の出費に備える資金が不足するリスクもあるため、生活費や緊急資金を手元に残したうえで準備することが大切です。
無理のない範囲で頭金を用意することが、安心して住宅を建てる第一歩となるでしょう。
頭金や資金計画で不安がある方は信頼できる建築会社に相談しよう!
頭金や資金に不安がある場合は、無理に一人で悩まず、実績のある建築会社に相談することをおすすめします。住宅ローンの仕組みに詳しいスタッフが在籍している会社なら、自己資金の状況に応じた支払い計画や、無理のない仕様提案をしてくれるでしょう。
また、自治体の制度や補助金の活用にも詳しく、総合的なアドバイスを受けられる点も大きなメリットです。資金に不安があるからこそ、信頼できるパートナー選びが成功のカギになります。
信頼できる建築会社の選び方
注文住宅を成功させるためには、信頼できる建築会社を選ぶことが不可欠です。価格やデザインだけでなく、アフターサポートや対応力、地域とのつながりなど、多角的な視点で判断する必要があります。
契約前にしっかりと確認すべきポイントを押さえておくことで、後悔のない家づくりができるでしょう。ここでは、信頼できる建築会社の選び方について解説します。
それぞれのポイントについて、以下で詳しく解説します。
アフターサポートや保証内容が明確か
注文住宅は建てた後の安心があってこそ、本当の満足が得られます。信頼できる建築会社は、施工後のアフターサポート体制や保証内容を明確に提示しているものです。たとえば、定期点検の実施スケジュールや保証の範囲、期間、対応スピードなどが公式に案内されていれば、住み始めてからのトラブルにも落ち着いて対応できます。
契約前にはパンフレットや担当者からの説明をもとに、具体的なサポート体制をしっかり確認しておくことが大切です。長く住む家だからこそ、長期的な信頼が持てる会社を選びましょう。
実績や口コミ・評判を確認しておく
建築会社を選ぶ際には、その会社がどんな家を建ててきたかを把握することが重要です。施工実績を見ることで、その会社の得意分野やデザイン傾向が見えてきます。
また、実際の施主からの口コミや評判も参考になります。第三者の評価は広告ではわからないリアルな情報が得られるため、SNSや住宅口コミサイト、知人の紹介などを活用して情報を集めましょう。
良い評価だけでなく、マイナスの意見も見ておくことで、事前にリスクを把握することができます。比較検討する際の判断材料として非常に有効です。
地域密着型の建築会社を選ぶ
地域に根ざした建築会社には、その土地の気候や条例、施工条件に精通しているという強みがあります。たとえば、積雪地域であれば屋根や断熱の設計、湿気の多いエリアであれば換気や防腐処理に関する対応など、地元ならではの提案が期待できます。
また、地理的に近いため緊急時の対応も早く、アフターサポートの面でも安心感があります。地元での施工実績が豊富な会社は、地域からの信頼を積み重ねてきた証でもあるため、口コミや評判の確認もしやすいのが特徴です。
信頼と安心を重視するなら、地域密着型の会社は非常に有力な選択肢です。
札幌市で注文住宅が建築可能なおすすめ会社3選
札幌市で注文住宅を検討している方に向けて、地域での実績が豊富で信頼できるおすすめの建築会社を3社ご紹介します。
それぞれ会社について、以下で詳しく解説します。
土屋ホーム

土屋ホームは北海道を拠点に、高気密・高断熱住宅に強みを持つハウスメーカーです。寒冷地でも快適に過ごせる住まいづくりに定評があります。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社土屋ホーム |
所在地 | 北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北九条ビル |
創業年月 | 1969年6月 |
公式サイト | https://www.tsuchiyahome.jp/ |
全棟構造計算を実施し、耐震等級3を確保するなど、安全性への配慮も徹底。断熱等級7・UA値0.19という国内トップクラスの断熱性能を標準で備え、快適でエネルギー効率の高い住まいを実現します。
商品は、完全自由設計の『CARDINAL HOUSE』と、手軽に高品質住宅が手に入る『LIZNAS』の2ブランド展開。自社大工による施工体制も特長で、品質と信頼性の両立を図っています。
快適性・耐震性・コストのバランスに優れた家を建てたい方におすすめの住宅会社です。
また、もっと詳しく知りたい方は土屋ホームの公式サイトを訪れてみてください。
以下の記事では土屋ホームのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

日本ハウスホールディングス

日本ハウスホールディングスは、国産檜(ひのき)を使用した木造住宅を提供する老舗ハウスメーカーです。丈夫で長持ちする構造にこだわりながらも、断熱・気密・省エネ性能にも優れ、快適で安全な住まいを提供しています。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社日本ハウスホールディングス |
所在地 | 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-3-8 日本ハウスHD飯田橋ビル |
電話番号 | 0120-247-300 |
会社HP | https://www.nihonhouse-hd.co.jp/ |
ZEH基準を超えるエネルギー自給型の『脱炭素・檜の家』など、環境配慮型住宅の提案にも力を入れています。施工品質だけでなく、長期保証やアフターサービスも充実。全国にモデルハウスを展開しており、家づくりに関する幅広いサポートを受けられます。
自然素材にこだわりたい方、安心・健康・環境に優しい住まいを求める方におすすめの住宅会社です。
以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

一条工務店

一条工務店は、『家は、性能。』をコンセプトに掲げ、住宅性能にこだわる注文住宅メーカーです。札幌市内でも多くの施工実績があり、モデルハウスで住宅性能を実際に体感することが可能です。
項目 | 詳細 |
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会社名 | 株式会社一条工務店 |
所在地 | 東京都江東区木場5-10-10 |
電話番号 | 0120-516-019 |
会社HP | https://www.ichijo.co.jp/ |
断熱・気密・耐震・省エネすべてにおいて業界最高水準を誇り、太陽光発電や全館床暖房なども標準仕様として搭載。自社工場での一貫生産により高品質な設備を低コストで提供できる体制を構築しています。
注文住宅販売棟数で世界記録™のギネス認定を受けるなど、実績も抜群。展示場での体感や豊富な建築実例も魅力のひとつです。機能性と快適性を重視し、長く安心して住める高性能な住まいを求める方におすすめのハウスメーカーです。
以下の記事では、一条工務店のさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

まとめ
本記事では、頭金の費用相場やリスク、費用を抑えるポイント、信頼できる建築会社の選び方まで解説しました。
注文住宅における頭金の金額は、資金計画の成否を分ける大きなポイントになります。頭金を用意することで、住宅ローンの返済負担を軽減できたり、審査がスムーズに進んだり、金利優遇を受けられるなどのメリットがあります。
一方で、自己資金が少ない場合でも、住宅ローンの工夫や補助制度の活用などによって、無理のない家づくりを実現することも可能です。
注文住宅を検討している方は、ぜひ資金面の不安を解消するための参考にしてください。