寒冷地の住宅の特徴は?住宅性能3つの基準や欠かせない対策を紹介

「寒冷地仕様の家ってどんな家なの?」
「どのエリアだと、寒冷地仕様の家にしたほうがいいのかな?」

などの疑問を抱えている方も多いでしょう。寒冷地仕様の家とは、簡単に一言でいうと、高気密・高断熱の性能を兼ね備えた寒さに強い家のことです。

寒さが厳しい寒冷地には、寒さを緩和できる寒冷地に適した住宅を建てることがおすすめです。寒さに強い家にしてしまえば、暖房を控えることができ、省エネにも繋がります。

本記事では、そんな寒冷地仕様の家の基礎知識や、特徴などを解説します。寒冷地仕様での住宅の建築を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

また、以下の記事で⁨⁩は札幌市でおすすめの注文住宅会社を紹介していますので、住宅会社選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。

目次

そもそも寒冷地仕様の家とは?

寒冷地仕様の家とは、北海道や東北など冬の寒さが厳しい地域でも快適に暮らせるよう設計された住宅のことです。

一般的な住宅に比べて断熱性と気密性が大幅に高く、屋根や壁、窓に高性能な建材を使用することで外気の影響を最小限に抑えます。

さらに、効率的な暖房設備や換気システムを組み合わせることで、室内の温度差を減らし健康的に過ごせる環境を実現。結露や凍結など寒冷地特有のトラブルを防ぐ工夫も盛り込まれており、耐久性と省エネ性を兼ね備えた住まいとして注目されています。

日本の寒冷地ってどんな場所?

北海道や東北など、寒さが厳しい地域がありますが、そもそも寒冷地とは、どの地域のことを指すのかと思う方も多いでしょう。

日本における寒冷地とは、冬の寒さが厳しい地域で、積雪期間が年間90日以上、年平均気温が10℃以下の地域のことです。

日本の寒冷地の画像
出典元:株式会社 光合金製作所公式ホームページ
2024年12月時点

上記の画像で見て分かる通り、北海道、東北、北陸など北緯37度以北および高冷地が寒冷地にあたります。また、冬の寒さが厳しい地域を指す場合もあり、北近畿地方や山陰地方を含めることもあります。

寒冷地仕様の住宅に必須の3つの性能は?

ここでは、寒冷地仕様の住宅に必須の3つの性能を解説します。

以下で3つの性能について詳しく解説します。

断熱性

まずは、断熱性があるかどうかです。寒冷地仕様の住宅において、高い断熱性能は最も重要な要素です。壁、天井、床、窓など、家全体をしっかりと断熱することで、外気温の影響を最小限に抑えることができます。

具体的には、断熱等級4以上(UA値0.4W/㎡K以下)の性能が求められ、高性能な断熱材の適切な施工や、複層ガラスやトリプルガラスの採用が必要です。したがって、室内温度を安定して保ち、暖房効率を高めることができます。また、結露の防止にも効果的で、建物の耐久性向上にも貢献します。

気密性

気密性は、外気の侵入や室内の暖気の流出を防ぐ重要な性能です。寒冷地仕様では、C値1.0以下の高い気密性能が求められます。高い気密性を実現するためには、気密シートの確実な施工や配管、配線の貫通部の適切な処理が必要です。

高い気密性により、暖房効率が向上し、エネルギー消費を抑えることができます。また、壁内結露を防ぎ、カビやダニの発生も抑制できるでしょう。

換気性

最後は、換気性が優れているかです。高気密住宅では、計画的な換気システムが不可欠です。24時間換気システムを導入し、室内の空気を常に新鮮に保つ必要があります。特に寒冷地では、熱交換換気システムの採用が推奨されています。

したがって、暖かい室内の空気と冷たい外気を熱交換することで、換気による熱損失を最小限に抑えることができます。また、結露やカビの防止、室内の空気質の維持にも効果的です。

寒冷地における住宅性能の3つの基準

ここでは、寒冷地における住宅性能の重要な3つの基準について解説します。

上記の3つが寒冷地における住宅性能を表す表記なのですが、日常生活で聞くことのない言葉なので分からない方も多いでしょう。下記で詳しく簡単にまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

C値(気密性能)

C値は住宅の気密性能を示す数値で、値が小さいほど気密性が高いことを示します。寒冷地では1.0以下が推奨され、さらに厳しい地域では0.5以下が求められます。これは1時間あたりに室内の空気が何回入れ替わるかを示す指標で、暖房効率に大きく影響します。

HEAT20(断熱性能)

HEAT20は、2020年以降の住宅の断熱性能基準を示すガイドラインです。寒冷地向けのG2、G3グレードでは、UA値(外皮平均熱貫流率)をそれぞれ0.34、0.28以下とすることを求めています。簡単に表すと、これは一般的な住宅の約2倍の断熱性能に相当しています。

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)

ZEHは、高断熱・高気密に加え、太陽光発電などの創エネにより、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロにする住宅です。寒冷地では特に暖房エネルギーの削減が重要で、断熱・気密性能を高めることに加え、高効率な暖房設備の導入が求められます。

上記で解説した3つの基準は、快適な室内環境の実現と省エネルギーの両立に重要な役割を果たしています。

寒冷地に住宅を建てる際の欠かせない3つの対策は?

ここからは、寒冷地に住宅を建てる際に欠かせない3つの対策を解説します。住宅の性能だけでなく、間取りや屋根の形を工夫することで、厳しい冬の寒さにも負けない家づくりが必要です。

大きく分けて3つにまとめました。

下記で3つの対策を詳しく解説していきます。

高い断熱機能

高性能な断熱材を使用し、壁、床、天井、開口部など住宅全体で高い断熱性能を確保することが重要です。断熱等級4以上の性能確保、窓には複層ガラスやトリプルガラスの採用が必須となります。

また、気密性にも配慮し、C値1.0以下を目指します。なぜなら、室内温度を安定して保ち、暖房効率を高め、結露の発生も防ぐことができるからです。

暖房効率を考えた間取り設計

暖房効果を最大限に活かすため、熱の移動を考慮した間取り設計が重要です。例えば、玄関には風除室を設け、2階への熱の上がり方を考慮した吹き抜けの配置にすることもおすすめです。

また、各部屋の使用頻度や時間帯を考慮し、暖房効率の良い配置を検討することで、快適な室内環境を実現できます。

屋根などの積雪対策

積雪への対策は、住宅の安全性に直結するので欠かせない対策です。屋根は急勾配(3〜4寸以上)の設計とし、雪が自然に落ちやすい構造にします。

また、十分な構造強度の確保、融雪装置や雪止めの設置、雪下ろし作業を考慮した設計など、冬季の管理のしやすさも重要な要素となります。

寒冷地仕様の家に使える補助金・税制優遇

寒冷地仕様の家は、断熱性や気密性を高めた設計や高効率な設備の導入が必要となるため、一般的な住宅より初期費用がかかる傾向があります。そこで活用したいのが、国や自治体が提供する補助金や税制優遇制度です。

これらを利用すれば、建築費用の一部を補填できるだけでなく、長期的なランニングコスト削減にもつながります。ここでは、2025年時点で活用できる代表的な制度を紹介します。

それぞれの制度の概要と対象について、以下で詳しく解説します。

子育てグリーン住宅支援事業

子育てグリーン住宅支援事業は、子育て世帯や若年夫婦世帯を対象に、省エネ性能の高い住宅を取得した場合に補助金が交付される制度です。2025年現在、GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅やZEH水準住宅の新築に対して最大160万円の補助を受けることが可能です。

寒冷地仕様の家は断熱性能や気密性能が優れているため、制度の対象となりやすいのが特徴です。建築費の負担を軽減できるだけでなく、省エネ性の高い住宅の普及を促進する目的もあり、該当世帯にとっては大きな支援となります。

ZEH関連補助

ZEH関連補助は、ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の普及を目的とした国の支援制度です。寒冷地仕様の家もZEHやNearly ZEHに適合すれば対象となり、基準を満たした住宅には55万円、さらに上位グレードのZEH+では90万円の補助が交付されます。

加えて、蓄電池や太陽光発電、PVTシステムなどの先進設備を導入することで補助額が加算される仕組みです。寒冷地仕様の家はエネルギー効率を重視した設計が多いため、この補助制度と相性が良い点が強みです。

初期費用の抑制とエネルギー自給自足の両立が期待できるでしょう。

給湯省エネ2025事業

給湯省エネ2025事業は、家庭におけるエネルギー消費量の多くを占める給湯分野での省エネを目的とした補助制度です。対象となるのは高効率給湯器で、エコキュートやハイブリッド給湯器の導入により、機種に応じて1台あたり6万〜13万円の補助を受けられます。

寒冷地仕様の家では、厳しい冬でも安定してお湯を供給できる高性能機器が不可欠であるため、この制度を利用するメリットは大きいです。補助金を活用することで、初期導入コストを軽減しながら、省エネ性と快適性を両立する住まいを実現できます。

寒冷地仕様の家を建てる工務店選びのポイント

寒冷地仕様の家は、設計や施工に高度な技術と経験が必要です。断熱材の施工精度や暖房計画のノウハウが不十分だと、本来の性能を十分に発揮できません。

そのため、工務店選びは家づくりの成否を左右する大切な要素となります。ここでは、信頼できる工務店を見極めるために押さえておきたいポイントを紹介します。

これらを確認すれば、安心して依頼できる工務店を選びやすくなります。

寒冷地での施工実績が豊富か

寒冷地仕様の家は、一般的な住宅と比べて施工の難易度が高く、断熱・気密の精度や雪害への対応など専門的な知識が不可欠です。そのため、寒冷地での施工実績が豊富な工務店を選ぶことが大切です。

過去の事例を確認すれば、実際にどのような工夫をしているかや、地域の気候に適した設計力があるかを判断できます。見学会やOB施主の声を参考にすることで、施工品質や対応力を客観的に確認でき、安心して任せられるかどうかの判断材料となります。

性能数値(UA値・C値)を提示できるか

信頼できる工務店は、住宅性能を数値で明確に示してくれます。UA値は断熱性能を、C値は気密性能を表す指標であり、寒冷地仕様の家においては特に重要です。

これらの数値を提示できる工務店であれば、設計通りの性能が期待できるだけでなく、比較検討もしやすくなります。逆に数値を示さない場合は、施工の精度や性能に不安が残る可能性があります。

性能を数値で裏付ける姿勢は、工務店の透明性や信頼性を測る上で重要なポイントです。

複数社比較検討する

工務店選びでは、必ず複数社から見積もりや提案を受けて比較検討することが欠かせません。1社だけで判断すると、費用や性能のバランスを見誤るリスクが高まります。

複数社を比較することで、価格の相場感を把握できるだけでなく、各社の得意分野や対応姿勢の違いも見えてきます。最低でも3社程度に相談し、性能数値の提示や施工実績、アフターサポート体制などを総合的に比較することが重要です。

比較を通じて、自分たちの要望に合った最適な工務店を選ぶことができるでしょう。

札幌市で注文住宅が建築可能なおすすめ会社3選

札幌市で注文住宅を建てる際には、寒冷地特有の環境に適した高断熱・高気密性能を備えた住まいづくりが重要です。ここでは北海道をはじめ全国で高い実績を持つ3社をご紹介します。

以下で詳しく解説します。

土屋ホーム

出典元:土屋ホーム

土屋ホームは「感動を超える心地好さ」を理念に掲げ、北海道基準の高断熱・高気密住宅を提供しています。

スクロールできます
項目詳細
会社名株式会社土屋ホーム
所在地北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北九条ビル
創業年月1969年6月
公式サイトhttps://www.tsuchiyahome.jp/

全棟で構造計算を行い、耐震等級3を確保。さらに断熱等級7(UA値0.19)を実現するなど、快適さと強さを兼ね備えています。注文住宅ブランドには、自由設計の「CARDINAL HOUSE」と、リーズナブルで高品質な「LIZNAS」があり、多様なニーズに対応可能です。

道産木材を活用したサステナブルな家づくりや、自社大工育成による熟練施工体制も特長。北海道発の確かな技術で、札幌市で快適かつ安心の住まいを求める方におすすめできる住宅会社です。

また、もっと詳しく知りたい方は土屋ホームの公式サイトを訪れてみてください。

以下の記事では土屋ホームのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

日本ハウスホールディングス

出典元:日本ハウスホールディングス

日本ハウスホールディングスは、木造住宅を中心に全国展開するハウスメーカーで、北海道にも支店を構えています。

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項目詳細
会社名株式会社日本ハウスホールディングス
所在地〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-3-8 日本ハウスHD飯田橋ビル
電話番号0120-247-300
会社HPhttps://www.nihonhouse-hd.co.jp/

日本ハウスホールディングスの家づくりは「檜品質」にこだわり、構造材に国産檜を採用。耐久性・耐震性に優れ、長期にわたり快適に暮らせる住まいを提供しています。注文住宅では、自由設計と共に省エネや環境配慮を取り入れ、ZEH住宅の普及にも積極的です。

さらに長期保証やアフターサービス体制も充実しており、建築後も安心して暮らせる点が大きな魅力。札幌市で、檜を活かした木造注文住宅を検討している方にふさわしい住宅会社です。

以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

一条工務店

出典元:一条工務店

一条工務店は「家は性能」を掲げ、業界トップクラスの高気密・高断熱性能を実現する注文住宅を全国で展開しています。

項目詳細
会社名株式会社一条工務店
所在地東京都江東区木場5-10-10
電話番号0120-516-019
会社HPhttps://www.ichijo.co.jp/

北海道エリアにも拠点を持ち、寒冷地仕様の住宅提案を行っています。一条工務店の特徴は自社工場による部材生産と徹底した品質管理にあり、性能とコストパフォーマンスの両立を可能にしています。

また、全館床暖房や高性能フィルターによる換気システムなど、快適な暮らしを支える独自の設備も充実。加えて長期保証やサポート体制も整っており、札幌市で性能重視の家づくりをしたい方におすすめです。

以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

まとめ

ここまで読んで、寒冷地に家を建てるならどんな家が良いか分かったのではないでしょうか。寒冷地に家を建てるなら、断熱性・気密性・換気性・省エネ性に優れた家を建てることが推奨されています。

建築費用が高いからと、性能がない家を建ててしまうと、後々後悔することになるかもしれません。家を暖めるために暖房をつけるなど、結局光熱費がかさんでしまう場合もあるので、慎重に検討してみてください。

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