木造軸組み工法とは?メリット・デメリットや知っておきたいポイントまで

「木造軸組み工法って何?」

「木造軸組み工法ってどんな特徴がある?」

「木造軸組み工法のメリットやデメリットが知りたい」

注文住宅を検討中の方の中には、木造住宅を考えている方も多いでしょう。木造住宅の構造の中でも多く採用されているのが木造軸組み工法です。

在来工法とも呼ばれ、高い耐震性や住様式な変化にも対応できる柔軟性があります。メリットの多い木造軸組み工法ですが、デメリットを知っておかないと後悔する可能性があるため注意必要です。

そこで本記事では、木造軸組み工法について、特徴の他にメリットやデメリットまで紹介します。木造軸組み工法での家づくりを検討している方は参考にしてください。

目次

木造軸組み工法とは?

木造軸組み工法とは、日本で古くから用いられる建築構造の1つで、在来工法とも呼ばれます。

家を建てる代表的な工法は、軸組み工法の他に2×4(ツーバイフォー)工法がありますが、日本で最も多く採用されているのが木造軸組み工法です。高い耐久性や耐震性を持ちながらも、自然素材を活かした環境に優しい建築手法です。

木造軸組み工法(在来工法)の特徴

木造軸組み工法では、主に木材を主材料とし、伝統的な接合技術で骨組みを築きます。基礎から水平に建てた柱と、水平に渡した梁で支えるよう構成するため「線で支える」と表現されることもあります。

フレームに斜めの建材を入れ金物で接合することで、高い耐震性や耐久性を実現可能です。木材同士を組み合わせるため、自然な見た目ながらも建物全体の強化ができ、雨や地震の多い日本の気候風土に適した構造とも言えるでしょう。

日本の伝統が息づく歴史ある工法

木造軸組み工法は、約1300年以上前から続く日本の伝統的な建築技術です。法隆寺や東大寺など、現存する世界最古の木造建築物もこの工法を基礎としています。時代とともに進化を遂げながらも、その基本原理は変わらず、日本人の住文化に深く根付いています。

明治時代以降、西洋の建築技術が流入しても、日本の気候風土や生活様式に適していることから、木造軸組み工法は主流であり続けました。現在では、最新の技術や材料と融合することで、伝統的な美しさと現代の快適性を両立させた住宅づくりが可能になっています。

木の特性を活かした構造設計

木造軸組み工法の特徴として、木材の「めり込み」という性質を巧みに利用している点が挙げられます。これは、木材が圧力を受けた際に、繊維が圧縮されることで衝撃を吸収する性質です。この特性により、地震の揺れを吸収し、建物全体の強度を保ちます。

また、木材には「調湿性」があり、湿度が高いときには空気中の水分を吸収し、乾燥しているときには放出するという特徴があります。これにより、室内の湿度を自然に調整し、快適な住環境を維持することができます。木の香りに含まれるフィトンチッドには、リラックス効果やストレス軽減効果もあるとされており、住む人の健康にも良い影響を与えると言われています。

伝統的な接合技術と現代の金物工法

伝統的な木造建築では「継手・仕口」と呼ばれる木材同士の接合技術が用いられてきました。これらは釘や金物を使わず、木材を削り出して組み合わせる高度な技術です。現代の木造軸組み工法では、この伝統技術を継承しつつ、金物による補強を取り入れることで、さらに強固な構造を実現しています。

近年では、「剛床工法」や「制震ダンパー」などの最新技術も取り入れられています。剛床工法は、床組みを一体化させることで建物全体の強度を高める工法で、制震ダンパーは地震の揺れを吸収する装置です。これらの技術により、伝統的な木造住宅の弱点を克服し、より安全で快適な住まいが実現できるようになりました。

木造軸組み工法のメリット

木造軸組み工法で住宅を建てるメリットは以下の3つです。

以下で詳しく解説します。

施工可能な会社が多い

木造軸組み構造は日本で1番古くから伝わる構法で、最もメジャーです。そのため、施工可能な会社が多いのが特徴です。

各住宅会社で得意なデザインやこだわりがあり、数多くの会社の中から選択できることで自分に合った業者を探せます。何年か後に修理やリフォームが必要になったとしても、新築時の施工会社以外にも依頼が可能です。

豊富な事例と多様なバリエーション

木造軸組み工法は多くの住宅会社が扱っているため、参考にできる事例が豊富です。

和風、洋風、モダン、北欧スタイルなど、さまざまなデザインの住宅が実現されており、自分の理想のイメージを具体化しやすいというメリットがあります。


また、各地域の気候や風土に適応した建築スタイルも発展しており、例えば積雪の多い地域では屋根の勾配を急にするなど、地域性を反映した住宅づくりが可能です。

これは長い歴史の中で培われた知恵であり、木造軸組み工法ならではの強みと言えるでしょう。

地域の工務店から大手ハウスメーカーまで幅広い選択肢

木造軸組み工法は、小規模な地域の工務店から全国展開する大手ハウスメーカーまで、幅広い企業が得意としています。そのため、予算や希望に応じて、最適な施工会社を選ぶことができます。


地域の工務店では、地元の気候や風土を熟知した上での提案が期待できます。また、顔の見える関係性の中で、細かい要望にもきめ細やかに対応してもらえるでしょう。

一方、大手ハウスメーカーでは、確立された技術や品質管理体制、アフターサービスの充実などが強みとなります。このように、施工会社の選択肢が多いことは、施主にとって大きなメリットです。

自由度の高い設計が可能

全体が柱と梁で構成されているため、壁を設ける箇所の選択が広く、自由度の高い間取りが可能です。建物の強度に影響を与えることなく、大きな窓や中庭も実現できます。

また、窓口も広くとれるため開放的で自然光を多く取り入れたい方にもおすすめです。吹き抜けや勾配天井など、開放的な空間を実現することに適した工法といえるでしょう。

優れた可変性

木造軸組み工法は、骨組みがベースの構法のため、部屋の増改築も比較的安易です。

ライフスタイルや家族構成の変化など、リノベーションやリフォームをしながら住み継ぐことが可能です。リフォームの際も施工会社を選ばず、新築時の施工会社でなくても選択できます。

木造軸組み工法のデメリット

木造軸組み工法にもデメリットがあり、以下の3つがあげられます。

デメリットを把握しておくことで対策が可能です。後悔しないようにチェックしておきましょう。

職人によって品質にバラつきがでやすい

木造軸組み工法は、木材の質や職人の知識・技術・経験により品質に差が出やすいという点があります。品質に差がでると、耐震や気密・断熱などの性能面に影響が出ます。

近年では規格化され安定しつつありますが、自然の素材を扱うため、同じ設計でも職人の腕に左右されます。住宅会社の選定は慎重に行いましょう。

工期が長くなる可能性も

他の構法と比べると現場での作業量が多く、部材数も多いため工期が長くなってしまいます。2×4が平均3〜4ヶ月ほどの工期のところ、軸組み工法では4ヶ月〜半年ほどと言われています。

また、天候によって工期が伸びることも少なくありません。希望の入居時期が決まっていて、時間に余裕のない場合は向かないでしょう。

費用の変動が大きい

木造住宅は比較的建築コストを抑えられますが、使用する材料によっては費用の増加が考えられます。

天候に左右されるため、工期が長くなることも珍しくありません。工期の伸びは人件費だけでなく仮住居などの面でも費用に直結します。

木造軸組み工法を選択する際に知っておきたいポイント

ここでは、木造軸組み工法で住宅を建てる際に知っておきたい、3つのポイントを紹介します。

以下でそれぞれの詳細を解説するため、チェックしてください。

定期的な点検やメンテナンス

木造住宅の場合はシロアリを心配する方も多いでしょう。近年はコンクリートでつくられたベタ基礎が主流のため、さほど心配はありませんが、湿気の多い土地では注意が必要です。

湿気が多いと木材の劣化も考えられるため、定期的な点検とメンテナンスで建物の安全性を維持しましょう。定期的な点検やメンテナンスの内容は住宅会社によって異なります。

家は建ててからが本当のスタートのため、会社選びの際には、定期的な点検やメンテナンスの内容を比較しておくようにしましょう。

耐震性能を高くする工夫があると安心

耐震性を比べると耐力壁の多い2×4工法に劣ると言われますが、構造計算をすることで同等以上の耐震性が実現できます。構造計算とは、建物の強度を確認するために数値化することです。

耐震等級と一緒に確認でき、長期優良住宅の確認項目の1つです。強度を1戸ずつ確認することで、地震に強い住宅が実現可能となります。

耐震等級と具体的な耐震対策

木造住宅の耐震性能は「耐震等級」として数値化されています。耐震等級1は建築基準法で定められた最低限の基準で、耐震等級2はその1.25倍、耐震等級3は1.5倍の耐震性能を持つことを意味します。

木造軸組み工法でも、適切な設計と施工によって耐震等級3を達成することが可能です。

具体的な耐震対策としては、バランスの良い耐力壁の配置、金物による接合部の補強、筋交いや構造用合板の適切な配置などが挙げられます。また、最近では制震ダンパーや免震装置といった先進的な技術も取り入れられています。

特に、制震装置は後付けでの設置も可能なため、既存住宅の耐震改修にも活用されています。

地震に強い間取りと構造計画

耐震性を高めるためには、間取りや構造計画も重要です。例えば、建物の形状はなるべく整形に近いほうが耐震性に優れています。また、1階と2階の耐力壁の位置をできるだけ揃える「壁量の連続性」も、地震に強い住宅の条件の一つです。

さらに、「耐震シミュレーション」を行うことで、想定される地震に対して建物がどのように揺れるか、どの部分に負荷がかかるかを事前に検証することができます。

こうした詳細な構造計画によって、木造軸組み工法でも高い耐震性を実現することが可能です。施工会社との打ち合わせでは、こうした耐震対策についても具体的に確認するとよいでしょう。

会社選びが最も重要

職人によって品質に差がでやすい木造軸組み工法を採用する場合は、会社選びが重要です。依頼先を間違えると、理想とかけ離れた住宅になってしまいます。

施工実績や事例、口コミなど確認して技術力に定評のある、信頼のできる会社に依頼するようにしましょう。また、住宅会社には、それぞれが得意とする工法やデザインがあります。

よりあなたの理想を実現するためにも、複数の会社で比較した上で依頼先を決めるようにしましょう。

札幌市でおすすめの注文住宅会社3選

ここでは、札幌市でおすすめの注文住宅を3つ紹介させていただきます。

  1. 土屋ホーム
  2. 日本ハウスホールディングス
  3. 一条工務店

以上の3つについて詳しく解説していきます。

1.土屋ホーム

出展元:土屋ホーム

土屋ホームは北海道を中心に、快適なこだわりの住宅を提供している会社です。伝統的な木造軸組み工法を進化させた「BES-T構法」で建物全体の強さを生み出し、接合部分のオリジナル金物は耐久性を向上させます。

スクロールできます
項目詳細
会社名株式会社土屋ホーム
所在地北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北九条ビル
創業年月1969年6月
公式サイトhttps://www.tsuchiyahome.jp/

創業50年以上の歴史があり、自社大工の直接施工により安定した高品質の住宅が実現できるため安心して依頼ができます。気になる方は気軽に相談してみましょう。

また、もっと詳しく知りたい方は土屋ホームの公式サイトを訪れてみてください。

以下の記事では土屋ホームのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

施工事例

出典元:土屋ホーム
出典元:土屋ホーム
出典元:土屋ホーム

黒のガルバリウム銅板が青空に映え、おしゃれな外観の住まいです。

L字型の中央に庭が整備されたデザイン性の高い住宅は、外断熱工法のため高気密高断熱で家中が暖かく快適です。各部屋の木材や照明などにもこだわった、自由度の高いデザインとなっています。

寒さの厳しい北海道でも、ホッとするような暖かさで住みやすく快適な住宅が実現できました。

2.日本ハウスホールディングス

出典元:日本ハウスホールディングス

日本ハウスホールディングスは、1969年に設立された会社で、国産檜にこだわった木の家づくりを得意としています。国産檜の持つ抗菌作用やフィトンチッドによって、快適かつ健康的な住まいを実現できます。

スクロールできます
項目詳細
会社名株式会社日本ハウスホールディングス
所在地〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-3-8 日本ハウスHD飯田橋ビル
電話番号0120-247-300
会社HPhttps://www.nihonhouse-hd.co.jp/

また、顧客が安心して家を建てられるように『窓口一貫システム』を採用。アフターサポートも長期保証や24時間コールセンター対応をしてくれるなど、充実した内容となっており安心です。

「非日常を味わえる檜の住まい」

寄棟屋根が印象的な、高級感のある外観の住宅です。玄関スペースは、間接照明を採用することで旅館のようなおしゃれなデザインに。LDKは勾配天井にすることで、開放感抜群の空間になっています。

あらわしの米松がおしゃれなアクセントとして活躍。また、床にはアメリカンチェリーの無垢材、塗り壁は珪藻土と、自然素材をふんだんに取り入れた健康的な住まいになっています。

口コミ・評判

いろんなハウスメーカーでお話を聞きました。その中で、一番希望に近づいたプランで他社よりも安い金額を提示してくれたのがこちらでした。住み始めてある程度経ちますが、どうしても出てくる劣化程度くらいで問題等はありません。

引用元:みん評

ハウスメーカー20社近くまわりましたが、日本ハウスの性能(耐震・断熱性能)はとても良いと思います。メンテナンス費用が一番安かったので、ライフサイクルコストを考えると日本ハウスはコスパが良いと思いました。

引用元:みん評

安いかつ住宅性能の高さを評価している人は多くいました。耐震性や断熱性能など、住まいに必要な性能が高いことは魅力的なポイントです。

以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

3.一条工務店

出典元:一条工務店

一条工務店は『家は、性能。』というスローガンを掲げ、高性能の住まいづくりにこだわりを持っている大手ハウスメーカーです。創業以来、約23万棟の家づくりをしてきた多くの経験と実績を持っています。

項目詳細
会社名株式会社一条工務店
所在地東京都江東区木場5-10-10
電話番号0120-516-019
会社HPhttps://www.ichijo.co.jp/

最近では、世界初の耐水害住宅の開発を成功させるなど、業界トップクラスの技術力を持つことも特徴のひとつです。断熱性能は断熱等級5を誇り、高い気密性によって冷暖房費を一般的な高気密・高断熱住宅の6分の1にすることが可能です。

以下の記事では、一条工務店のさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

「大きな吹き抜けでも暖かい。想像以上に快適な家」

広々としたガレージと植栽が映える、シンプルな外観の住宅です。リビングやキッチンだけでなく、インテリアやフローリングまで白で統一。高級感あふれる住まいになっています。

この住まいのこだわりは大きな吹き抜けを採用していること。開放感抜群の空間が広がっています。

全館床暖房×高気密・高断熱の一条工務店の住まいでは、家の上下で温度差が少ないため、吹き抜けがあっても快適な暮らしが実現可能。採光のために窓を複数設けることで、いつでも明るいリビングになっています。

口コミ・評判

住宅の性能面では文句なしです。光熱費もかなり安く抑えられますし、なにより真冬に家の中で短パンで過ごしていても暖かいという点は大満足しています。

引用元:みん評

今日2年点検を受けましたが、細かいところも補修・交換してもらえて大満足でした。住み心地は、断熱性がいいので不満無く過ごせています。一条で建てて良かったと思います。

引用元:みん評

まとめ

本記事では、木造軸組み工法について、特徴の他にメリットやデメリットまで紹介しました。木造軸組み工法は日本で最も採用されている、伝統ある工法です。

メリットも多くありますが、デメリットもあるため、木造軸組み工法での家づくりを検討している方は参考にしてください。また、札幌市で家づくりを検討している方は、土屋ホームがおすすめです。あわせて、チェックしてみてください。

本記事があなたのお役に立てば幸いです。

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