耐震性の高い住宅とは?耐震等級やメリットデメリットについても解説

「耐震性のある住宅ってどんな家?」

「耐震等級ってなに?」

「耐震性能の高い住宅のメリット・デメリットは?」

注文住宅を検討する際、耐震性にこだわりたいと思う方も多いはずです。

日本は世界的にも地震が多い国で、自然災害はいつ起こるかが分かりません。そのため、もしもの場合に備えておくことは重要です。

とはいえ、住宅の性能にこだわることで制限が出てきます。もちろん人命には代えられませんが、メリット・デメリットを理解して後悔なく理想の住宅を建てたいと誰もが思うはずです。

そこで本記事では、耐震性や耐震等級のほか、耐震にこだわるメリットデメリットも解説しています。ぜひ参考にしてください。

目次

日本における地震リスクと住宅の耐震化の重要性

日本は世界の中でも特に地震が多い国として知られています。国土面積は世界のわずか0.25%ほどですが、マグニチュード6.0以上の地震の約20%が日本で発生しているというデータもあります。これは、日本列島が太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4つのプレートが接する境界に位置しているためです。

過去には1995年の阪神・淡路大震災、2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震など、大きな被害をもたらす地震が発生しています。阪神・淡路大震災では約6,400人が亡くなり、その8割以上が住宅の倒壊による圧死でした。

この教訓から、住宅の耐震化の重要性が強く認識されるようになりました。

過去の地震での被害状況と教訓

1995年の阪神・淡路大震災では、古い木造住宅を中心に多くの建物が倒壊しました。特に1981年以前の旧耐震基準で建てられた住宅の被害が顕著でした。この震災を機に、耐震基準の見直しや既存住宅の耐震改修の推進が図られました。

2011年の東日本大震災では、地震そのものによる建物被害よりも、津波による被害が甚大でした。しかし、内陸部では液状化現象や地盤沈下による住宅被害も多く発生しました。この経験から、地盤の状態や立地条件も住宅の安全性に大きく影響することが再認識されました。

2016年の熊本地震では、震度7の揺れが2回続けて発生するという前例のない状況となりました。1回目の地震で損傷した建物が2回目の地震で倒壊するケースが多く見られ、繰り返しの地震に耐えられる耐震性の重要性が浮き彫りになりました。一方で、耐震等級3の住宅は大きな被害を免れたことから、高い耐震性能の効果が実証されました。

今後予測される大地震と備えの必要性

今後30年以内に70%程度の確率で南海トラフ巨大地震が発生すると予測されています。この地震が発生した場合、最悪のシナリオでは死者が30万人を超えるとも言われており、住宅の耐震化はより一層の急務となっています。

また、首都直下地震についても今後30年以内に70%程度の確率で発生すると予測されており、経済的損失は約95兆円と試算されています。都市部の住宅密集地では火災の連鎖的な発生も懸念され、個々の住宅の耐震性に加えて、地域全体の防災性能を高めることも重要です。

こうした将来的なリスクを考慮すると、新築住宅においては高い耐震性能を確保することが、家族の安全を守るだけでなく、社会全体の災害レジリエンス(回復力)を高めることにつながります。住宅は一生に一度の大きな買い物であり、将来の地震リスクに備えた設計を検討することが賢明と言えるでしょう。

耐震性とは?

耐震とは、住宅の構造体そのものの強度を指します。

耐震性を高めることで地震の揺れに耐え、建物の崩壊を防ぐことが可能です。法律で設けられた基準を元に設計が義務付けられており、耐震等級などが項目に含まれています。

耐震等級

耐震等級は1〜3のランクに分けられており、数字が大きくなるほど耐震性が優れていると評価されます。等級の種類を、以下で詳しく解説します。

耐震等級1

最も低い等級ですが、建築基準法によって定められている耐震性能は最低限備えています。

耐震等級1は、震度6〜7の地震に1度は耐えられる耐震性です。即倒壊や崩壊はしないものの、大規模な修繕や住み替えが必要になると想定されます。

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍の耐震性を備えています。耐震等級2は震度6〜7の地震に耐えられ、その後も一部の補修をすれば生活ができる可能性が高いでしょう。

耐震等級3

耐震等級3は最高ランクの等級で、耐震等級1と比べて1.5倍の耐震性を備えています。震度6〜7の地震にも耐え、その後の修繕も一部軽微で暮らせると想定されます。

耐震等級3は、警察署や消防署などの防災拠点と同様の耐震性を備えているレベルです。

耐震等級を高くすることによるメリット

耐震等級が高いことであげられるメリットを紹介します。

以下で詳しく解説します。

丈夫な家になる

地震に強い住宅だと人命の保護はもちろん、住宅・家財の保全も可能です。

2016年4月に震度7の地震が2回発生し甚大な被害があった熊本地震でのデータを参考に見てみましょう。建築物の被害が激しい地域でも耐震等級3の建物は大きな損傷が無く、大部分が無被害でした。

もちろん人命が一番ですが、住宅の倒壊・崩壊となると地震後の生活再建に負担がかかってしまいます。耐震等級3の住宅は、震度7の地震が2回発生しても大きな損傷が無く、その後も住宅に住み続けられる可能性が高いため、生活再建もしやすくなると考えられます。

住宅ローンや税金・保険料などの優遇措置がある

耐震等級に応じて借入金額の金利が引き下げられるため、通常よりもお得にローンが組めます。また、住宅ローン控除額の拡大や、固定資産税の減免・贈与税の非課税枠増枠などの優遇があります。

耐震等級2からは長期優良住宅として認定され、地震保険の割引対象となり30〜50%程お得になります。割引率は各保険会社によって決まっているため、確認してみてください。

補助金が受け取れる

一定の耐震性や省エネ性を有する住宅には、補助金や助成金の制度があります。住宅を購入するにあたって出費がかさむため、もらえるものがあれば利用すると良いでしょう。

各自治体によっても制度が違います。確認して忘れないようにしておくことがおすすめです。

耐震等級を高くすることによるデメリット

耐震等級をあげることによるデメリットを紹介します。

理想の注文住宅を実現するために、メリットデメリットを比較して検討しましょう。

費用が高額になりがち

耐震等級を取得するためには費用がかかります。申請するための費用に平均30万程、住宅の耐震性をあげるためも必要です。

そのため、建築コストが高くなることが予想されます。資金計画を念入りに立てた上で、どれほどの耐震性を持たせるか決めるようにしましょう。

間取りに制限がかかる

建物の耐震性を高めるために、柱や壁の配置や増設が重要です。

耐震性を確保するために必要な柱や壁があることで、間取りに一定の制約が生じる場合があります。デザインや間取りにこだわりがある方は注意しましょう。

耐震等級相当の表記に注意

認定機関による審査は受けていなくても、耐震等級相当の耐震性がある設計・施工を行っている場合は『耐震等級○相当』といった表記になります。

申請にかかる費用が数十万かかるため、コストカットで申請をしないケースです。この場合は保険や住宅ローンの優遇は受けられないため、メリットとデメリットを比較して検討しましょう。

地震に強い家の特徴

地震に強い住宅の特徴は以下の通りです。

以下で詳しく解説しているため、住宅を建てる際の参考にしてください。

1.シンプルな構造

地震に強い住宅はシンプルな構造です。正方形に近いほど、面同士で支え合え、力が分散されることで倒壊しにくくなります。同じ耐震等級でも建物の形によって倒壊のリスクは変わります。

L字やコの字、1階部分の一部がカーポートなどの、複雑な形状の場合はリスクが高いです。

2.地盤が強い

地盤が緩いと揺れが起こった際に、家を支えきれず沈下したり倒壊したりする可能性があります。そのため、土地探しから地震に強い家づくりがスタートすると言っても過言ではありません。

地盤が強い土地を選ぶと、地盤改良などの費用も不要なためコストカットにも繋がります。

3.会社選びが重要

耐震性を高めるためには、専門的な知識と高度な技術が必要です。豊富な実績のある会社だと、安心して依頼ができるでしょう。

各住宅会社によって、得意としている部分や工法にも違いがあるため、会社選びの際にチェックしてみましょう。少なくても3社以上は比較した上で依頼先を決めることが重要です。

4.耐震性を高める構造的な工夫

耐震性を高めるためには、建物の構造設計における様々な工夫が重要です。まず、「バランスの良い耐力壁の配置」が基本となります。耐力壁とは地震の力に抵抗する壁のことで、これをX方向(東西方向)とY方向(南北方向)にバランスよく配置することで、どの方向からの地震にも均等に抵抗できます。

重要なのは「接合部の強化」です。柱と梁、柱と土台など、建物の各部材の接合部は地震時に最も破壊されやすい箇所です。これらの接合部を金物で補強することで、建物全体の一体性を高め、粘り強さを向上させることができます。木造住宅では「ホールダウン金物」や「プレート金物」などが用いられ、接合部の引き抜き抵抗力を高めています。

5.施工品質の確保と監理の重要性

設計図面通りの耐震性能を実現するためには、施工品質の確保が不可欠です。しかし、施工段階では様々な要因によって品質のばらつきが生じる可能性があります。そのため、適切な監理体制があるかどうかも、会社選びの重要なポイントとなります。

良質な施工を確保するための一つの指標は、「自社施工か外注か」という点です。自社の大工や職人による施工は、品質管理がしやすく、技術の継承や向上も図りやすい傾向があります。一方、外注が多い場合は、協力会社の選定基準や品質管理体制がどうなっているかを確認することが重要です。

耐震性の高い住宅におすすめの札幌の注文住宅3選

ここでは、札幌市でおすすめの注文住宅を3つ紹介させていただきます。

  1. 土屋ホーム
  2. 日本ハウスホールディングス
  3. 一条工務店

以上の3つについて詳しく解説していきます。

土屋ホーム

出展元:土屋ホーム

耐震性の高い住宅なら、土屋ホームがおすすめです。土屋ホームは50年以上の歴史を持ち、北海道を中心に住宅を提供している会社です。

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項目詳細
会社名株式会社土屋ホーム
所在地北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北九条ビル
創業年月1969年6月
公式サイトhttps://www.tsuchiyahome.jp/

力を壁で受け止められるBES-T構法を採用し、全棟が耐震等級3に対応していることが特徴です。また、自社大工による直接施工を採用しており、クオリティに差が出ず、高品質な家づくりが可能なため安心して依頼ができます。

気密性と断熱性の高い住宅が実現可能となり、寒さの厳しい地域でも快適に暮らせます。気になる方は気軽に相談してみましょう。

また、もっと詳しく知りたい方は土屋ホームの公式サイトを訪れてみてください。

以下の記事では土屋ホームのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

施工事例

出典元:土屋ホーム
出典元:土屋ホーム
出典元:土屋ホーム

シンプルで無駄のない機能的な住宅です。

食器棚の後ろには大きな食品庫があり、生活感の出やすいキッチンも収納できすっきりしています。シックなバスルームは光が入るため、明るく爽やかな清潔感のある印象になり、リラックスできる空間になっています。

日本ハウスホールディングス

出典元:日本ハウスホールディングス

日本ハウスホールディングスは、1969年に設立された会社で、国産檜にこだわった木の家づくりを得意としています。国産檜の持つ抗菌作用やフィトンチッドによって、快適かつ健康的な住まいを実現できます。

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項目詳細
会社名株式会社日本ハウスホールディングス
所在地〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-3-8 日本ハウスHD飯田橋ビル
電話番号0120-247-300
会社HPhttps://www.nihonhouse-hd.co.jp/

また、顧客が安心して家を建てられるように『窓口一貫システム』を採用。アフターサポートも長期保証や24時間コールセンター対応をしてくれるなど、充実した内容となっており安心です。

「非日常を味わえる檜の住まい」

寄棟屋根が印象的な、高級感のある外観の住宅です。玄関スペースは、間接照明を採用することで旅館のようなおしゃれなデザインに。LDKは勾配天井にすることで、開放感抜群の空間になっています。

あらわしの米松がおしゃれなアクセントとして活躍。また、床にはアメリカンチェリーの無垢材、塗り壁は珪藻土と、自然素材をふんだんに取り入れた健康的な住まいになっています。

口コミ・評判

いろんなハウスメーカーでお話を聞きました。その中で、一番希望に近づいたプランで他社よりも安い金額を提示してくれたのがこちらでした。住み始めてある程度経ちますが、どうしても出てくる劣化程度くらいで問題等はありません。

引用元:みん評

ハウスメーカー20社近くまわりましたが、日本ハウスの性能(耐震・断熱性能)はとても良いと思います。メンテナンス費用が一番安かったので、ライフサイクルコストを考えると日本ハウスはコスパが良いと思いました。

引用元:みん評

安いかつ住宅性能の高さを評価している人は多くいました。耐震性や断熱性能など、住まいに必要な性能が高いことは魅力的なポイントです。

以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

一条工務店

出典元:一条工務店

一条工務店は『家は、性能。』というスローガンを掲げ、高性能の住まいづくりにこだわりを持っている大手ハウスメーカーです。創業以来、約23万棟の家づくりをしてきた多くの経験と実績を持っています。

項目詳細
会社名株式会社一条工務店
所在地東京都江東区木場5-10-10
電話番号0120-516-019
会社HPhttps://www.ichijo.co.jp/

最近では、世界初の耐水害住宅の開発を成功させるなど、業界トップクラスの技術力を持つことも特徴のひとつです。断熱性能は断熱等級5を誇り、高い気密性によって冷暖房費を一般的な高気密・高断熱住宅の6分の1にすることが可能です。

以下の記事では、一条工務店のさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

「大きな吹き抜けでも暖かい。想像以上に快適な家」

広々としたガレージと植栽が映える、シンプルな外観の住宅です。リビングやキッチンだけでなく、インテリアやフローリングまで白で統一。高級感あふれる住まいになっています。

この住まいのこだわりは大きな吹き抜けを採用していること。開放感抜群の空間が広がっています。

全館床暖房×高気密・高断熱の一条工務店の住まいでは、家の上下で温度差が少ないため、吹き抜けがあっても快適な暮らしが実現可能。採光のために窓を複数設けることで、いつでも明るいリビングになっています。

口コミ・評判

住宅の性能面では文句なしです。光熱費もかなり安く抑えられますし、なにより真冬に家の中で短パンで過ごしていても暖かいという点は大満足しています。

引用元:みん評

今日2年点検を受けましたが、細かいところも補修・交換してもらえて大満足でした。住み心地は、断熱性がいいので不満無く過ごせています。一条で建てて良かったと思います。

引用元:みん評

まとめ

本記事では、住まいの安全性に関わる耐震性について解説しました。年々自然災害への危機管理意識が高まっており、少しでも安全性の高い住宅にしたいと考えている方も増えています。

耐震等級を取得するにはメリットデメリットがあるため、どれほどの耐震性を持たせるか検討してみましょう。また、会社選びの際は、見学会などにも足を運んでみることをおすすめします。

本記事があなたの住宅づくりのお役に立てば幸いです。

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