GX志向型住宅は、環境負荷の低減と快適な住まいの両立を目指した次世代の住宅として注目を集めています。従来の省エネ住宅とは異なり、断熱性能やエネルギー効率だけでなく、建設から廃棄までのCO2排出にも配慮された設計が特徴です。
本記事では、そんなGX志向型住宅の概要や条件、他の省エネ住宅との違い、そしてメリット・デメリットなどについて解説します。これからの住まい選びに『環境性能』を取り入れたい方は、ぜひ参考にしてください。
また、以下の記事では札幌市でおすすめの注文住宅会社を紹介していますので、住宅会社選びでお悩みの方はぜひ参考にしてみてください。
GX志向型住宅とは?

GX(グリーントランスフォーメーション)志向型住宅とは、脱炭素社会の実現に向けて、建築・居住・廃棄の各段階でCO₂排出量を抑えることを目的とした住宅です。断熱等性能等級6以上や一次エネルギー消費量等級6以上を満たし、太陽光発電の設置が標準化されている点が特徴です。
また、ライフサイクル全体を通じて環境負荷を低減する設計となっており、国の補助金制度や認定制度の対象になる可能性もあります。環境配慮と快適性を両立させた住宅として、今後ますます注目が高まるといえるでしょう。
GX志向型住宅の条件は?

GX志向型住宅は、単に省エネ性能が高いだけではなく、環境全体に配慮した基準を満たしていることが重要です。設計・性能・設備・ライフサイクルにおいて、複数の具体的な要件をクリアする必要があります。
以下の項目は、GX志向型住宅として評価されるための主な条件です。
- 断熱等性能等級6以上を満たしている
- 一次エネルギー消費量等級6以上を取得している
- 太陽光発電の設置が標準化されている
- 建設から廃棄までCO₂排出を抑制する設計になっている
- 国の補助金制度・認定制度の対象になり得る住宅である
それでは、各条件について詳しく見ていきましょう。
断熱等性能等級6以上を満たしている
GX志向型住宅の基本条件として、断熱等性能等級6以上をクリアしていることが求められます。これは、住宅の断熱性能を示す基準で、外気の影響を受けにくく、少ないエネルギーで快適な室温を保てる住宅であることを意味します。
等級6は、ZEH水準と同等かそれ以上の断熱性を持ち、光熱費の削減や結露の防止、ヒートショックの予防にも貢献します。北海道や東北といった寒冷地でも快適に暮らせる住宅性能として注目されています。
一次エネルギー消費量等級6以上を取得している
GX志向型住宅には、一次エネルギー消費量等級6以上の取得も必須です。この等級は、住宅内で使用される冷暖房・給湯・照明・換気などのエネルギー消費量を基準とし、省エネ性能が高いほど上位の等級が与えられます。
等級6は、最新の省エネ基準を大きく上回る性能であり、日常的なエネルギー使用を抑え、環境負荷の低減と光熱費の節約をすることが可能です。これにより、持続可能な暮らしを実現できる住宅として、環境施策の中でも高く評価される対象となります。
太陽光発電の設置が標準化されている
GX志向型住宅では、再生可能エネルギーの活用が重要視されており、その一環として太陽光発電の設置が標準仕様とされています。設置が義務ではない地域もありますが、多くのGX住宅では、電力の自給自足やCO₂排出の削減を目的に太陽光システムが導入されています。
発電した電力を自宅で利用するだけでなく、余剰分を売電できる点も経済的なメリットです。エネルギー価格が高騰する現在、太陽光発電はGX住宅の象徴的な設備のひとつとなっています。
建設から廃棄までCO₂排出を抑制する設計になっている
GX志向型住宅は、建築物の『ライフサイクル全体』で環境負荷を削減することが求められます。これには、建設時の資材選定や工法、居住中のエネルギー効率、将来的な解体・廃棄時のリサイクル性までを含みます。
例えば、製造時のCO₂排出が少ない断熱材を使用したり、長寿命化された構造材を選んだりすることで、トータルの環境負荷を低減します。GX住宅は、このように「つくる」「住む」「終える」まで、すべての段階で脱炭素社会に貢献することを目指しています。
国の補助金制度・認定制度の対象になり得る住宅である
一定の基準を満たすGX志向型住宅は、国の補助金制度や認定制度の対象となる可能性があります。なぜなら、国の補助事業では、省エネ性能の高い住宅を新築・取得する際に補助金が交付されるからです。
対象となるには、断熱性能やエネルギー消費性能の等級などを満たす必要がありますが、要件をクリアすれば数十万円〜100万円単位の補助を受けられるケースもあります。費用負担の軽減と環境貢献の両立が期待される要素です。
【ZEH・長期優良住宅】他の省エネ住宅との違いは?

GX志向型住宅は、ZEHや長期優良住宅と同様に高い省エネ性能を持つ住宅ですが、それぞれの目的や評価基準に明確な違いがあります。ここからは、他の省エネ住宅との違いについて解説します。
以下の表に、主な違いをまとめました。
項目 | GX志向型住宅 | ZEH | 長期優良住宅 |
---|---|---|---|
主な目的 | 脱炭素・GXの実現 | エネルギー収支ゼロの実現 | 長寿命で維持管理しやすい住宅の促進 |
断熱性能 | 等級6以上(高水準) | 等級5以上が目安 | 等級4以上が一般的 |
エネルギー性能 | 一次エネルギー消費量等級6以上 | 消費エネルギー≦創エネルギー | 一次エネルギー消費量に基準あり |
太陽光発電の搭載 | 標準化されている | 原則必須 | 任意(評価対象ではない) |
建設〜廃棄時のCO₂削減意識 | あり(LCA視点を含む) | なし(主に運用時のみ) | なし |
補助制度との関係 | 対象となる可能性あり | 各種補助金あり | 固定資産税の軽減など |
ポイントまとめ
・GX志向型住宅:『環境負荷の少なさ』と『エネルギー性能の高さ』を兼ね備えた最新の環境配慮型住宅。
・ZEH:主に運用時の省エネと創エネに焦点を当て、『エネルギー収支ゼロ』を目指す住宅。
・長期優良住宅:省エネよりも『耐久性・維持管理のしやすさ・資産性』が主眼で、長く住むための基準が整備されています。
このように、GX志向型住宅は他の省エネ住宅よりも広い視点から評価される新しい基準です。次世代の住宅を検討する際には、それぞれの違いを理解し、自分に合った性能・メリットを選ぶことが大切です。
GX志向型住宅を建てるメリット・デメリット

GX志向型住宅は、環境配慮と快適性を両立した次世代型の住宅として注目されています。断熱性やエネルギー効率の高さに加え、ライフサイクル全体でのCO₂削減が評価される住宅ですが、導入には費用や技術面でのデメリットもあります。
以下の表に、実際に建てる際に考慮すべきメリットとデメリットをまとめました。
メリット | デメリット |
---|---|
・光熱費が大幅に削減できる ・補助金制度や税制優遇を活用できる ・環境貢献により将来の住宅価値や評価が高まる | ・建築コストがやや高くなる ・設計・施工に高度な専門知識が必要 ・補助金や認定の申請手続きが煩雑になる |
GX志向型住宅の最大のメリットは、光熱費削減や環境負荷の低減といった『実益』と、国や自治体の補助金活用による『経済的メリット』が同時に得られる点です。特に再生可能エネルギーを活用した太陽光発電の設置や高断熱性能は、長期的な暮らしの中で確かな恩恵をもたらします。
一方で、制度や基準を満たすための仕様が厳しく、一般的な住宅に比べて設計・施工の自由度が制限されることもあります。ハウスメーカー選びや補助金活用の手続きには、事前に専門知識を持った担当者と相談しながら進めることが重要です。
GX志向型住宅は補助金・減税の対象になる?

GX志向型住宅は、省エネ性能やCO₂削減効果の高い住宅として評価されており、国や自治体の補助金制度や減税措置の対象となる可能性があります。ただし、対象になるには一定の条件や設計基準を満たす必要があり、必ずしもすべての住宅が対象になるわけではありません。
以下のポイントを確認することが重要です。
順に詳しく解説していきます。
国の『こどもエコすまい支援事業』などの対象になる場合がある
GX志向型住宅は、政府が推進する『こどもエコすまい支援事業』などの補助対象となることがあります。この制度は、子育て世帯や若者夫婦世帯が高性能な省エネ住宅を取得・建築する際に最大100万円の補助金を受け取れる制度です。
補助対象になるには、断熱等性能等級6以上、一次エネルギー消費量等級6以上などの要件を満たしていることが条件となります。申請期限や予算枠もあるため、早めの情報収集と申請準備が必要です。
自治体によって独自の補助制度があることも
GX志向型住宅を対象とした補助金は国だけでなく、各自治体でも独自に設けられている場合があります。たとえば、太陽光発電の設置費用に対する助成金、断熱改修への補助金、設計相談費用の補助など、地域によって支援内容はさまざまです。
自治体ごとに要件や申請方法が異なるため、住宅を建てる地域の公式ホームページや窓口で最新情報を確認することが大切です。国の制度と併用できるケースもあるため、賢く活用することで経済的メリットが高まるでしょう。
対象要件を満たす設計や設備を備えているかがポイント
補助金や減税を受けるには、該当制度が求める性能基準を住宅が満たしていることが必須です。たとえば、GX志向型住宅であれば、断熱等性能等級6以上や一次エネルギー消費量等級6以上に加え、太陽光発電や高効率給湯器の導入など、複数の仕様を満たしている必要があります。
また、設備の認定証や図面などの証明書類を申請時に提出しなければならないケースもあるので注意が必要です。設計段階から制度対応を見据えて進めることで、スムーズな補助金申請が可能になります。
GX志向型住宅を建てる際の注意点

GX志向型住宅は環境性能に優れた住宅として注目されていますが、建てる際には事前に押さえておくべき注意点があります。性能基準が厳格であることから、施工・設計・制度面において準備不足がトラブルにつながることも少なくありません。以下の点を確認して、安心して家づくりを進めましょう。
それぞれの注意点を順に解説していきます。
設計・設備に専門的な知識が必要
GX志向型住宅では、断熱等性能等級6以上や一次エネルギー消費量等級6以上など、非常に高い基準が求められます。そのため、一般的な住宅とは異なり、設計段階から性能要件を満たすための構造や設備の選定が不可欠です。
たとえば、気密性や断熱性能に直結する窓の選び方や、エネルギー効率の良い設備配置など、専門的な判断が必要とされます。設計者や施工業者がGX基準に詳しくない場合、基準を満たせず補助金対象外となる可能性もあるため注意が必要です。
補助金や制度の適用条件を事前に確認する必要がある
GX志向型住宅は補助金や税制優遇の対象となる可能性がありますが、それらの適用には明確な要件があります。たとえば、『こどもエコすまい支援事業』では断熱・省エネ性能に加え、申請時期や着工スケジュールにも条件があります。
さらに、自治体ごとに独自の支援制度が設けられているケースもあるため、国と地方の制度を併せて確認することが大切です。適用条件を満たさないと、数十万円の補助金を逃す可能性があるため、事前確認は必須です。
ハウスメーカー選びで対応力に大きな差が出る
GX志向型住宅は高性能な設計と設備、精密な申請業務が求められるため、すべてのハウスメーカーが対応できるわけではありません。特に法改正や制度情報の更新に遅れている会社では、設計基準に沿わず申請不備が発生するリスクがあります。
一方で、GXへの取り組みが明確で、設計・施工・補助金申請までワンストップで対応できる会社はスムーズに進行してくれるでしょう。住宅性能の高さだけでなく、制度対応力やサポート体制を含めて判断することが失敗しないためのカギです。
GX志向型住宅に対応できるハウスメーカーの選び方

GX志向型住宅を建てるには、高い省エネ性能や脱炭素設計に対応できるノウハウが求められるため、対応力のあるハウスメーカーを選ぶことが重要です。
断熱等性能等級や一次エネルギー消費量等級、太陽光発電の導入など、技術的・制度的要件を満たすためには、施工や設計だけでなく、制度申請や補助金への理解も欠かせません。
以下の3点を事前にチェックすることで、信頼できる会社かどうかを見極める手助けになります。
・GXへの取り組みや情報発信が明確な会社を選ぶ
・設計・施工で基準を満たせる技術力があるか
・補助金や制度の申請サポートまで対応してくれるか
GX志向型住宅は、設計時点から性能要件を満たす仕様で計画を進める必要があるため、制度に不慣れな業者では手戻りが生じる可能性があります。また、補助金を確実に活用するためには、申請書類の準備や提出時期の管理も重要です。
これらを一貫してサポートできるハウスメーカーであれば、安心してGX住宅の計画を進めることができるでしょう。信頼できるパートナー選びが、成功する家づくりの第一歩です。
札幌市で注文住宅が建築可能なおすすめ会社3選

札幌市での家づくりには、寒冷地に最適な住宅性能と、地域に密着した建築実績を持つ住宅会社の選定が重要です。住宅性能だけでなく、プランの柔軟性や施工品質も見極めるポイントとなります。
ここでは、北海道の厳しい気候にも対応した家づくりを実現する信頼性の高い3社をピックアップしました。
各社の特長や家づくりのこだわりを知ることで、選択肢がより具体的になります。以下で詳しく解説します。
土屋ホーム

土屋ホームは、北海道発祥の住宅メーカーとして、寒冷地の暮らしに適した高性能な住まいを提供しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社土屋ホーム |
所在地 | 北海道札幌市北区北9条西3丁目7番地 土屋ホーム札幌北九条ビル |
創業年月 | 1969年6月 |
公式サイト | https://www.tsuchiyahome.jp/ |
断熱性能では最高ランクの断熱等級7(UA値0.19)を実現し、快適な室温環境を維持しやすい構造が特長です。全棟において構造計算を実施し、耐震等級3に対応することで、安全性にも配慮しています。
商品は完全自由設計の『CARDINAL HOUSE』と、セレクト型で効率よく建てられる『LIZNAS』の2ラインがあり、ニーズに応じた提案が可能です。さらに、自社で育成された熟練大工による丁寧な施工や、道産材『HOKKAIDO WOOD』の活用など、地域とのつながりを大切にした家づくりが魅力です。
札幌で安心・快適な住まいを求める方におすすめのひとつの住宅会社です。
また、もっと詳しく知りたい方は土屋ホームの公式サイトを訪れてみてください。
以下の記事では土屋ホームのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

日本ハウスホールディングス

日本ハウスホールディングスは、国産の檜を使った木造住宅を提供する老舗住宅メーカーです。四寸角の檜柱を使用した構造体は、強度と耐久性に優れ、自然素材がもたらす快適な居住空間を生み出しています。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社日本ハウスホールディングス |
所在地 | 〒102-0072 東京都千代田区飯田橋4-3-8 日本ハウスHD飯田橋ビル |
電話番号 | 0120-247-300 |
会社HP | https://www.nihonhouse-hd.co.jp/ |
注文住宅においては、構造の強さとデザイン性、そして省エネ性能のバランスを意識した家づくりが実践されており、2024年度には13度目のグッドデザイン賞を受賞するなど、その品質が広く認められています。
さらに、顧客向けの会員サイト運営や資産活用支援など、住まいに関するトータルサポートにも注力しています。木の温もりを活かした心地よい住まいを重視する方にとって、日本ハウスホールディングスは頼れるパートナーとなるでしょう。
以下の記事では、株式会社日本ハウスホールディングスのさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

一条工務店

一条工務店は『家は、性能。』という理念をもとに、住宅性能の高さを軸にした家づくりを行うハウスメーカーです。
項目 | 詳細 |
---|---|
会社名 | 株式会社一条工務店 |
所在地 | 東京都江東区木場5-10-10 |
電話番号 | 0120-516-019 |
会社HP | https://www.ichijo.co.jp/ |
一条工務店の住宅では、全館床暖房を標準装備とし、高断熱・高気密構造で年間を通して快適な室温を保ちます。また、太陽光発電システムと蓄電池による自給自足型のエネルギー設計『電力大革命』をはじめ、水害リスクに備える『耐水害住宅』など、先進的な技術を導入している点も注目です。
5年連続で注文住宅販売における世界記録(ギネス認定)を達成しており、信頼と実績の面でも安心できます。性能と持続可能性の両立を重視する方には、ぜひ検討していただきたいひとつの住宅会社です。
以下の記事では、一条工務店のさらに詳しい口コミ・評判、施工事例を紹介していますので、気になる方はぜひ一度お読みになってみてください。

まとめ
本記事では、GX志向型住宅の特徴や条件、他の省エネ住宅との違い、そして導入時のメリット・デメリットについて解説しました。
GX志向型住宅は、環境への配慮と暮らしの快適性を両立させる、次世代にふさわしい住宅のかたちです。高断熱・高効率に加え、太陽光発電やライフサイクル全体でのCO₂削減など、従来の省エネ住宅とは一線を画す基準が設けられています。
補助金や税制優遇などの支援制度も活用できる可能性があり、環境面だけでなく経済的にも魅力的な選択肢といえるでしょう。導入にあたっては制度や要件の理解、そして対応力のあるハウスメーカーの選定が重要です。
GX志向型住宅は、持続可能な未来を見据えた住まいの新基準として、今後ますます注目されていくはずです。